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sta 'nfronte a te! [音楽]

2週間ほど前のこと。いつものように寝る前にアイボウと二人、布団に入って、思い思いに本やらパソコンを広げていた時、ふっと O sole mio の一節が浮かんできて口ずさんだ。

アイボウに「なにそれ? Rosenkavalier?」といわれてしまい、「違うよ、O sole mio ...」といいわけしてみる。

そこで何を思ったか、アイボウが iTunesで O sole mio 聞き比べを開始する。Di Stefano, Wunderlich ...
Di Stefano も大好きなのだが、アイボウは Accordone 即ち Marco Beasley の O sole mio が大好き(というかマネしたがっている)

ところが、その時、ちょうど iTunes の調子が悪く、各曲数秒〜30秒程度しか聞けない状態だった。というのも、数日前、掃除中に私が音楽ファイルが全て入っているハードディスクの電源を誤って抜いてしまい、ライブラリファイルの再構築がまだうまくいっていなかったのである。

そこで、Accordone のサイトや Myspace のページで O sole mio のクリップを流してたのを思い出して、 http://www.accordone.it を開いてみる。

News の文字が目に付くので、もともとの目的をおいて、とりあえずお知らせを確認してみることにした。すると、
ACCORDONE is proud to announce La Tentazione del Male, the new composition by Guido Morini on a text by Marco Beasley. It will be performed as an absolute premiére at the Salzburger Festspiele next May 30th. in the Mozarteum.
ふーん。

ん?

5月30日?



ねえねえ、ぱぐちゃん、アコルドネが5月30日にザルツブルクでコンサートやるらしいよ。
ふーん。

え?5月30日ってザルツブルク行く日じゃなかったっけ?

そう!そうなのよ!


* * *

時はそれを遡ることさらに2週間。5月初めにミュンヘンのバイエルン歌劇場で Cosi fan tutte を鑑賞した我々は、バイエルン歌劇場の総合的なレベルの高さに感心し、ドイツにいる間にやっぱりもういちどばらの騎士を見たい、できることならオーソドクスな演出で、という欲望を満たすべく、ミュンヘンから帰宅早々、6月1日のばらの騎士の公演のチケットを購入していた。

6月1日はちょうど祝日で3連休となる。ミュンヘンは2回目になるし、せっかくだから他の場所にも行こう、ということになり、そしてザルツブルクとインスブルックを駆け足にめぐることになった。


そのザルツブルクにたった1泊する日に、Accordoneの公演がある!

これは行かないわけには行かない出来事だ。


さっそくザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭のサイトに行く。安い方から売り切れており、45ユーロ以上の席しか残っていなかったが、ここはもう運命を感じて2枚購入した。ばらの騎士の方は15ユーロの立ち見席を買ったのだから、覚悟のほどもうかがわれよう。


ちなみに、ザルツブルク聖霊降臨祭音楽祭は、カラヤンが始めたもので、かつてはベルリンフィルなどがやってきてシンフォニーコンサートをやっていたらしいが、近年はそれをバーデンバーデンに譲り、まったく違うコンセプトの音楽祭になったということ。2007年からは継続して「ナポリ」をテーマに開催しているんだそうだ。

2009年のメインはジャルスキーらしいんだが、ジャルスキーの公演には時間が合わないし、お金もないし、正直、ちょっと雰囲気が苦手なので、パス。あとはムーティの指揮でヨンメッリのオペラなどをやっていたようだ(https://www.salzburgerfestspiele.at/dieinstitution/dienste/spielplanarchiv/j/2009/ 参照)。


* * *

そして5月30日。

ザルツブルクには昼過ぎに到着。フランチェスコ会教会、大聖堂、ホーエンザルツブルク城などを回る。

天気はずっとすっきりしなかったのだが、3時半ごろから本格的な雨が降り出した。


早めに食事を済ませ、ホテルに戻って着替え、会場のモーツァルテウムに向かう頃には、文字通りバケツをひっくり返したようなどしゃぶりになってしまった。会場に向かう客にとっても辛いが、それにも増して楽器奏者たちは困ってしまっているのではないかと思いを馳せる。


さて、モリーニの新作は、モリーニのクラヴィオルガヌムにチェロ、ヴィオローネ、ハープ、プサルテリ(とてもよかった!)の通奏群に、ヴァイオリン2本、ヴィオラ1本が器楽の構成。ルネサンスから後期バロックあたりまでの語法をいろいろと組合わせた曲に、ビーズリーが歌を載せていき、途中1曲ほどは男性ダンサーが裸になって踊る。このダンサーは後でもう一度服を着て出てきて、ファルセットで歌も披露していた。

新作なのであまり面白くないことも覚悟していたのだが、途中で寝ることもなく、最後まで楽しんだ(アイボウはところどころ居眠りしてたようだが)。ビーズリーもモリーニも前回見た時(5年くらい前)よりずいぶんおじさんになって、ビーズリーなんか老眼鏡かけてたけど、美声はあいかわらずだったし、新作とは言っても、聞きなじんだ語法ばかりを使っているので、どれもどこかできいたような感じでなじみやすいといえばなじみやすい。
客の反応も総じて好評だった。


アンコールには新作の中のヴィヴァルディ風の賑やかな一曲をやったあと、ビーズリー自作のセレナータをダンス付きで。

そのあと、拍手に応えて、ビーズリーとモリーニだけが舞台に登場すると、最後にやる曲の説明をビーズリーが始める。

ナポリの歌の中でいちばん有名な曲を歌います……

わ! O sole mioを歌ってくれるんだ!!


観客はもちろんアコルドネのコアなファンばかりではないからなのだろうが、その後ビーズリーはなんだかごちょごちょと、普通オペラ歌手たちが歌う曲で、皆さんもそういう風に思っているでしょうが、でも僕も大好きな曲で、僕なりの歌い方で歌っています…… と言い訳のようなことを言っていたが、それでも、モリーニの明るい前奏(CDのとは全く違うアレンジだった)に続いて che bella cosa . . . と歌い出すと、客席は笑いにどよめいていた。個人的には笑うところではないのだが……

私の方は、ただただ、もううれしくて、涙が抑えられず、この幸運を味わう。
ビーズリーが目の前で O sole mio を歌っているという事実に感動しすぎて、実際の演奏がどのくらいよかったかは判断がつかない。


帰り道はけっきょく、O sole mio が頭の中に鳴り響いていて、モリーニの新作はどこへやら。結局、モリーニはアレンジャーとしてはすぐれているけれども、メロディのセンスがないんじゃないか、やっぱり、新作、とかいってないで、すでにある曲をたくさん弾いてくれる方がいいんじゃないか、と、いつもどおりの結論に落ち着いてしまったのだった。

* * *

この動画は不法だと思うが、布教用に貼り付けておきます。

 
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